「年少さん 待っててね(年長)じゃが芋堀り」 R2.6.25

「じゃがいも とれました」

「ねんしょうさん この じゃがいもを みて どんなこと いうかな?」

「ねんしょうぐみの おともだちのぶんまで じゃがいも とってくるね」と年少組の保育室に向かって手を振っていたのは年長組の皆さんでした

 今から畑に向かう為、エントランスに集まり靴を履き始めた時に、扉から顔を出していた年少組のお友達に声を掛けていたのですが…では、なぜかと言うと…

今年は、じゃが芋の種芋を植えた直後に長い雨が続いた為に種芋が腐り、芽を出さない箇所が多く発生してしまいました

そのため、年長中組の学年のみ畑に行く事が決まりました

「うんとこしょ」

「どっこいしょ」

   
   
   
   
   
   
   
   
自然農法に近いやり方でじゃが芋を育てている為、天候や気温に多大な影響を受けてしまいます

子ども達が直接、手に触れ自分で収穫したじゃが芋を持ち帰り、ご家庭でお料理して頂き、それを口に含む事を考え、自然に近い育てた方をしています

何年かに一度は今年のような事が起きてしまいます

じゃが芋掘り当日、年少組の保育室に向かって「ねんしょうぐみの おともだちのぶんまで じゃがいも とってくるね」と手を振ってから年長組の皆さんは畑に向かいました

 畑に到着すると朝まで雨が降っていた影響もあり、畑の土は水分を多く含んだ状態でしたが、園長先生がぬかるんだ場所には比較的渇いた土を入れたり、シートを上に被せたりして滑ったり足をすくわれないように、みんなが安全にじゃが芋掘りが出来るように対策をして行われました

「うんとこしょ」と先生が力を込めて合図の言葉を言うと「どっこいしょ」とみんなの掛け声と同時に引っ張りました

「でた〜 せんせい みて みて」「おおきい じゃがいも み〜つけた」
「いたたた…」と勢いよく引っ張り過ぎてドスンと尻餅をついてしまうお友達もいました()

自分の目の前に蟻やダンゴムシ、小さな蜘蛛が歩いたり、土を掘ると何かの幼虫が出てきたり子ども達にとってはびっくりする事や年少さんや初めて畑に来た子ども達は「ちょっと こわ〜い」と動けなくなってしまう子も

ですが経験豊富な年長さんにとっては、目の前にいる虫を捕まえて「せんせい、 いまから つちをほると ありさん おとしあなに はいって でれなくなるから ちがうばしょに つれていって あげてください」と簡単に捕まえて手渡してくれるほどです

 小さな虫でも自分たちと同じ命がある事やその虫にも家族や友達がいる事を畑に通う事で学び、野菜はお店で育つのではなく土や水、太陽の光等で大きくなる事を先生の話しから聞きました

自分の手で土に触れ、収穫したじゃが芋はきっと子ども達にとっては特別なモノになります

年長児になると何度か畑に足を運びインゲンや枝豆の観察した後に、じゃが芋の葉の大きさが前回と、どう変わったか?又は葉の数が増えていないか?成長の過程を見ていた年長組の皆さん、じゃが芋の茎が無い所を指差して「せんせい」「じゃがいもが ないところが ありますが みんなのぶんの じゃがいもは あるんですか?」の質問に「じゃが芋の赤ちゃん(種芋)を植えた後に沢山、雨が降ってしまい じゃが芋さんに なれない所があるね」「年長組さんと年中組さんの分はあると思うけど」と先生が残念そうな顔をしていると・・・

「じゃ ぼくたちが とった じゃがいも 1こづつ あげようよ」「そうだよ」「そうしよう」と声が上がりました。その言葉を聞いて、みんなの優しい気持ちに先生は嬉しそうでした

「そうだね〜」

「あげる事は難しいけど、畑で採れたじゃが芋を年少さんに見せてあげる事は出来ますよ」と先生が言うと「ねんしょうさんに みせて あげよう」とニコニコ笑顔の年長組の皆さんでした

「ねんしょうさん まっててね」

「いまから じゃがいもを もって ようちえんに もどりま〜す」

畑で持ち帰った後は、もちろん年少組のお友達にじゃが芋を見せに行こうと靴を脱いでいた年長組さんに、先生からの手洗いうがい、アルコール消毒してからお部屋に行こうねの言葉に「は〜い」と大きな声と早く見せてあげたいなぁという嬉しそう声がエントランスから聞こえてきました